ハルゼミさえ鳴けば・・・
〜十勝川の源流はニジマスパラダイス〜
そうなのです。北海道は、セミがもう鳴いているのです。山にいるハルゼミというセミで、このセミが鳴き出すのがちょうど雪解けの増水が終わり、川が穏やかになる季節。北海道の川が騒がしくなる時なのです。そしてこのセミが川に落ちて、流れれば、ニジマスを初め渓流の魚たちにとって、この上ないご馳走なのです。ちっちゃなカゲロウを何匹食べてもこのセミのボリュームにはかないません。だからこそ、セミの誘惑はすごいのです。
そんなわけで、セミさえ鳴けば、大きなニジマスを釣るチャンスは大なのです。十勝川水系の秘密のダムの流れ込みでした。一本の大きな立ち枯れした木に川の流れがぶつかっていました。シメシメです。きっと流れがぶつかり大きく掘れて、深くなっているに違いません。そしてそこには、魚が居ついているに決まっています。
セミに似せたフライを投げ込みます。自然な流れにのったフライは、プカプカと木の正面向かって流れていきます。息が止まるような瞬間でした。
3・2・1・・・立ち木に向かって流れていくセミフライ。
ポクッ。
ゆっくりと現れた大きなニジマスは、何の疑いもなくセミフライを吸い込みました。バシュっとアワセが決まれば、完璧です。ニヤリと笑いが出ました。この広いダムのちっぽけなポイントで、一人幸せを感じるハッピーな男でした。
2007年7月2日
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